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【美と健康の達人に聞く】豊かな生活は知恵で作るどんな逆境でもそれだけは忘れない

料理研究家の顔以外にも、発明家やアーティストとしてテレビや雑誌で人気のバーバラ寺岡さん。その明るいキャラクターからは想像しづらいところですが、幼い頃には貧困に悩まされ、さらには、大病を患うなど苦難の連続だったといいます。数々の苦境を乗り越え、明るく生きるバーバラさんに、その元気の源を伺いました。

お金で買えない母からの知恵が財産

 活力料理・菓子研究家はじめ、作家、画家、生活用品発明家など、まさに八面六臂の活躍ぶりのバーバラ寺岡さん。その語り口調は相変わらずチャーミング。しかし、素敵な笑顔とは裏腹に、その人生は波瀾万丈そのものでした。バーバラさんは1945年、ドイツ軍の占領下に置かれたハンガリーで生まれました。お父様は全権大使を歴任した日本人外交官、ハンガリー人のお母様は世界の美容の歴史とハーブ医学の研究者という裕福な家柄でしたが、世は終戦間近の混乱期。当時駐ハンガリー公使だったお父様が日本へ引き揚げる直前にドイツ軍に連れ去られ、お母様と路頭に迷ってしまったそうです。

 「土地も財産も奪われ、日本の外交官の家族と知られれば殺されてしまうという状況でした。母とともに秘密警察から逃れるようにハンガリーの農家を転々とし、ブドウ畑の仕事や井戸の水汲み、牛の乳搾りもしました。それこそ『おしん』のような生活でした」

 栄養失調、ハーフに生まれたがゆえのいじめ、そんな過酷な日々を支えてくれたのがお母様でした。

 「『貧しいというのはお金がない人ではない。知恵のない人。幸せも不幸も知恵次第なのよ』。そう教えてくれたおかげで辛くなんてなかったんです」

膠原病(こうげんびょう)転機に。商品発明家としても活躍

バーバラさんが提唱する“エコかっこいい”ライフスタイル(「テーブルウェア・フェスティバル2008」にて)。

 8歳でようやく日本に来られたものの、再びいじめにあい、16歳の頃、そのストレスから体重が67キロに増え、無理なダイエットで拒食症を患うなど、苦労は耐えませんでした。挙げ句には、30代の頃に、膠原病に冒されてしまいますが、この大病が転機に。

「それまで西洋の栄養学を信じてダイエットや食事療法をしていたものの、病状は悪化してコレステロール値は320、鉄分の不足による貧血、そして、関節炎で寝返るのもやっとの状況でした。医師にもサジを投げられるなか、たどり着いたのが東洋の栄養学でした」

以来、中国や日本の栄養学や伝統食、食事療法を研究。鉄分不足は食材からではなく、南部鉄器調理の方が効率的に摂取できると知り、さっそく鉄びん兼用鍋を開発。さらに、中国4千年の肝臓、毒消しレシピの「大そう梅肉」を食前に服用、コレステロールはその鉄びん鍋で沸かしたお湯で作ったよもぎ茶で180に。そして、スロースイーツなど、独自の食事療法で4カ月で難病を完治させました。
逆境を撥ね除けた人生が共感を呼び、テレビにも引っ張りだことなったバーバラさん。その知恵を生かし、生活用品発明家としても活躍。とりわけ、日本古来の生活様式と現代技術を融合させた商品開発に力を注いでいます。
もともとエネルギーや食料の自給率の低い日本では効率的にエネルギーを摂る伝統食、暑さ寒さをしのぐ生活の知恵があったといいます。

「日本の伝統食の科学には、毒や外的から命を守る活力の知恵がたくさんあります。そんな日本の知恵をもう一度見直すべき。私もそれを取り入れた最小のエネルギーで最高に楽しい『エコかっこいい』健康作りの商品開発に取り組んでいます」

2月に東京ドームで開催された「テーブルウェア・フェスティバル2008」でも、バーバラさんのブースは異彩を放ち、注目されました。そんなエコかっこいい商品の一つが、電気無しでも長時間保温できる真空断熱構造のジャーやポット。バーバラさんのアイデアをもとにメーカーが開発し、大ヒット商品となりました。
また、高齢化社会に備えた介護グッズの開発にも余念がありません。

「私が考える介護の『介』は愉快の『快』。介護する側もされる側も楽しくなるお洒落で機能的な快護グッズがあればいいなって思う。私は死ぬまで現役でいられる美味しく楽しい食生活が送れる省エネの自分介護グッズを考えています」

そんなバーバラさん流の元気の秘訣は、朝晩飲むというコラーゲン生姜湯(レシピ参照)。また、常に自分を奮い立たせ、気力を持つことだそうです。

「不幸や失ったものの数よりも、幸せや人には取られない知識や知恵といった財産を数えていれば、人間は一生、豊かでいられるはず。いつまでもそんな風に生きたいですね」

苦労を経たからこその言葉。凛とした表情でお話しいただきました。

バーバラ流「美と健康の処方箋」


「バーバラ寺岡のおとぎ話に学ぶ和の活力食」(講談社・1785円)

コラーゲン生姜湯レシピ

水大さじ一杯と粉ゼラチン(ゼライス)5グラムを大きめのコップに入れ、黒砂糖大1杯、おろし生姜小1杯、天然塩ひとつまみを加え、鉄器で沸かした熱湯を250cc注ぐだけ。これを朝起きたとき、寝る前に一杯ずつ。バーバラさんおすすめのメニューです。

おとぎ話から学んだ活力の知恵

8歳で日本に来たバーバラさんは、日本語の読み書きや日本女性のたしなみをおとぎ話から学んだといいます。とりわけ、「鉢かつぎ姫」には思い入れが深く、本当に大切なのはお金や宝石ではなく、先祖代々受け継がれた遺伝子や知識、日本人としてのアイデンティティーだという教訓を得たそうです。最新著書でもおとぎ話にまつわるご自身の思い出、そして、物語に秘められた伝統食の科学の知恵が紹介されています。

バーバラ寺岡さん プロフィール

1945年、ハンガリー生まれ。戦後の混乱した社会情勢に翻弄され、15歳まで世界各地に移り住む。1966年に、NHK「きょうの料理」でプロの料理家としてデビュー。自身の病気を機に、世界の栄養学や食文化を研究し、現在は活力料理・菓子研究家、作家(著書59冊)、特許30以上を持つ生活品発明家として活躍する。