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ベテラン女優として、テレビ・舞台で活躍中の大空眞弓さん。2003年に乳がんを手術、その後も多重がんと戦ってきました。そんな体験をものともせず、「生来がのんきな性格で、いいことも悪いことも、すぐ忘れちゃうの」と笑う大空さん。病気との向き合い方、元気のひけつを伺いました。
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歩くのが好きで、出かけるときは、30分や1時間で歩けるくらいの距離だったらテクテク歩いちゃいますね。「あら、こんなところにレストランがあったのね。あら、ここにはマッサージのお店…」なんて、歩いているといろいろな発見が
あって楽しいですよ。
我が家には2匹の犬がいますから、散歩に連れ出すのもいい運動になっているんじゃないかしら。18歳のサザンはもう老犬で散歩は無理ですが、10歳のマリアは、これがもう甘えん坊で、リードは絶対嫌がるもんですから、赤ちゃん用のおんぶ紐でだっこして散歩に連れて行くんですよ。
その他で健康にいいことをしてるといえば、朝食代わりの粉ミルクですね。私はどちらかというと食が細くて、朝はあまり食べられないので、栄養補給のために飲むようにしているんです。といっても、私の場合、欠かさずこれをしなきゃっていうのが大嫌い。飲むのは気分次第ですから、毎日これ一杯というわけではありません。
5年前に左胸に乳がんが見つかって、全摘手術を受けました。ちょうど連続ドラマの撮影中だったものですから、手術は撮影が終わってからにしてくださいって先生にお願いしたんですけど、「そんなこと、とんでもない」って叱られて…。スケジュールをなんとか1週間あけてもらって、手術したんです。私の場合、多重がんといって、それからも胃がんを2回、食道がんも1回手術しました。ありがたいことに、どれも早期発見で大事に至らずに済んでいるんです。母も姉もがんで死にましたから、いつか私もそうなるだろうと思いもあって、特別ショックだとか、驚いたというのは不思議とありませんでした。
子どもの頃からとにかく病弱だったものですから、お医者さまの顔を見るとほっとするぐらい、病院大好き人間なんです。体調が悪いとすぐ見てもらいますし、定期検診も欠かしません。皆さん、病院に行くのが怖いとか、大きい病気が見つかったらどうしようっておっしゃいますけど、がんが見つかったときも、「早く見つかって良かった」っていう気持ちが強かったですね。
がんを経験したからといって、食べるものが変わったというのもないですし、お酒を控えるようになったというのもないんです(笑)。ただ、昔は毎日ブランデー1本空けていましたけど、今はそんなには飲めなくなりました。夜テレビを見ながら缶ビールを3本、夜寝る前に2本、そんなものですね(笑)。
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ベストセラーになった「がばいばあちゃん」を舞台で熱演 |
私はとにかくお友達が多くて、小・中・高の同級生の皆といまだにに会っていますし、お仕事のお友達とも食事やお酒に行ったりしています。同年代だけでなく、若い方との交流も楽しいですね。舞台「佐賀のがばいばあちゃん」で仲良くなった中澤ゆう子ちゃんなんかもお家に遊びにいらしたりしますし、あまり年齢に関係なくいろいろな人とのお付き合いがあります。買い物は嫌いなので、ショッピングには出かけませんが、映画と落語が大好きなので、お友達を誘ったり、誘い合ったり、ときには一人でも見に行ったりしています。
人間誰しも限りある命ですから、明日とか明後日とかではなくて、とりあえず、どんな小さいことでも今日を楽しくするっていうことが大切なんじゃないかと思うんです。私の一日は、朝起きて、カーテンを開けて、仏壇にお茶を供えて、お線香をあげることから始まります。そのときに「今日はいい日になりますように」ではなく、「今日はいい日です」ってお祈りするんです。それだけでぐっとハッピーな気持ちで一日が過ごせるようになると思いますよ。
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![]() 1940年、東京生まれ。18歳で新東宝入社、映画「坊ちゃん天国」でデビュー。その後、東京映画に移籍、「駅前シリーズ」などに出演。TBS東芝日曜劇場「愛と死をみつめて」でお茶の間の人気を不動のものとする。初舞台は「黒蜥蜴」。 |